


毎日の食事を作るお母さん方には、一面的な「健康」「栄養」常識を排除し、ほんとうに子どもたちに必要な食常識を実践していただきたいのです。「食」さえ正しければ、医者にかかることも減るはずなのです。また、「子どもの問題」というのは、いい換えれば「親の問題」でもあるということです。親自身の健康のために、毎日の食生活と真剣に取り組むことが、子どもの健康を守ることにつながるわけです。実は、現在、大人も子どもと同様に、体温が低下してきている傾向にあります。子どもほどストレートにその影響が出るわけではありませんが、親自身の、つまりは家族全体の健康を守るためにも、「低体温と闘う」、という視点からの食べ物選び、食生活は、やはり大変重要なのです。次の第2章では、わたしが実際に診察・治療に当たった小児患者の実例をもとに、これまでの西洋医学では解決できなかった症例に対し、「食」と東洋医学の視点から、どのようにすれば克服できるのか具体的な対策を講じていきます。そして、今やすべての子どもたちに可能性がある小児成人病についても、同じように見ていきます。

六味丸は地黄(アカヤヂオウの根)、山薬(ヤマイモの根茎)、山菜黄(サンシュメ)、決苓(サルノコシカケ科マッホドの菌核)、沢鴻(サジオモダカの根茎)、牡丹皮(ボタンの根皮)の6つの生薬から成る方剤で、地黄、山薬、沢潟の3つの生薬が「根」の生薬です。よって、この薬は、下半身のだるさ、むくみ、腎臓病などに効果があるということが、相似の理論から引き出せます。さらに、毎日、生姜湿布を腹部と腰部に施してもらい、体を温めるよう話しました。その結果、尿タンパク、尿潜血が、3ヶ月でそれぞれ(±)に減少し、疲れやすさもとれ、子どもらしい元気さが戻ってきました。しかし、運動したり疲れたりすると、まだ尿タンパクが(+)程度出現するので、夏休みを機会にニンジンジュース・ダイエットをするため、わたしの経営する伊豆の保養所に御両親ともども訪れていただきました。この保養所は、ニンジン。リンゴのジュースを朝、昼、夕、コップ3杯ずつ飲用してもらい、胃腸を休め、健康を回復していただくための施設です。大人でふつう1~2週間のジュースダイエットをし、肥満、過食による胃腸の疲れ等を現代文明の食生活による心身の疲労を、根本的なところから総合的に解消するのです。子どもの場合、成長期ですし、新陳代謝もよいので、3~5日の短めのジュースダイエットをやることで、十分に効果があります。B君の場合も、5日のジュースダイエットを試みたところ、3日目より、尿タンパク、尿潜血ともに消失しました。その後は漢方薬の服用も中止し、現在では、陽性食品(後出)、根菜類などを中心にした食事療法のみで、まったく健康体になっています。